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キャリア自律を高める「自己効力感」とは?-自己肯定感との違いや高め方を解説

コラム

2026.07.08

1.自己効力感とは?キャリア自律との関係

1-1 自己効力感とは「自分ならできる」という感覚

自己効力感とは、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「ある課題に対して、自分なら達成できる」という期待や自信を指します。
例えば、新しいプロジェクトを任されたとき、「難しいけれど、工夫すればできそうだ」と考えられる人は自己効力感が高い状態です。一方、「自分には無理だ」「失敗するに違いない」と感じてしまう人は、能力の問題ではなく、自己効力感が十分に育っていない可能性があります。
自己効力感が高い人は、困難な課題にも挑戦し、失敗を学びの機会として捉えることができます。その結果、経験を積み重ねながら成長し続けることができるのです。
つまり、キャリア自律とは、「自分でキャリアを切り拓く力」であり、その第一歩となるのが「自分ならできる」という自己効力感なのです。

1-2 なぜキャリア自律に自己効力感が欠かせないのか

キャリア自律とは、会社から与えられるキャリアを待つのではなく、自ら学び、行動し、自分自身のキャリアを主体的に築いていく姿勢です。
しかし、人は「できる」という見通しが持てなければ、新しい挑戦を避けてしまいます。
例えば、
・資格取得に挑戦する
・新しい仕事を任せてもらう
・異動や昇進にチャレンジする
これらはすべて、「自分ならできる」という感覚があってこそ行動できます。
自己効力感が高い人ほど挑戦の機会を増やし、その経験がさらに自己効力感を高めるという好循環が生まれます。
企業がキャリア自律を促進したいのであれば、制度だけを整えるのではなく、社員が「挑戦してみよう」と思える心理的な状態を育むことが重要です。

2.自己効力感と自己肯定感の違い

2-1 自己肯定感とは「ありのままの自分を認める感覚」

自己肯定感とは、「自分には価値がある」「ありのままの自分を受け入れられる」という感覚です。
自己効力感が「できる」という行動への自信であるのに対し、自己肯定感は「できても、できなくても、自分には価値がある」という存在そのものを認める感覚といえます。
仕事では、失敗や挫折を経験することも少なくありません。そのようなとき、自己肯定感が低いと、「失敗した自分には価値がない」と感じやすくなります。
一方、自己肯定感が高い人は、「今回はうまくいかなかったが、自分の価値がなくなるわけではない」と受け止めることができます。
この安心感が、再び挑戦する力につながります。

2-2 自己効力感との違いをわかりやすく比較

自己肯定感と自己効力感は混同されることがありますが、それぞれ役割が異なります。
自己肯定感は「自分自身を受け入れる土台」です。
自己効力感は「行動できるという自信」です。
つまり、自己肯定感という土台の上に、自己効力感が積み重なっていくイメージです。
どれほどスキルがあっても、自分自身を認められなければ、「どうせ自分なんて」という思いが先立ち、新しい挑戦への自信は育ちにくくなります。
反対に、自分を受け入れられる安心感があるからこそ、「まずはやってみよう」「失敗しても学べばいい」と考えられるようになります。
その意味で、「自己肯定感なくして自己効力感は育たない」といえるでしょう。
キャリア自律を支援する企業では、この2つを切り離して考えるのではなく、両方を育む視点が求められます。

3.自己効力感が高い人・低い人の特徴

3-1 自己効力感が高い人に見られる行動

自己効力感が高い人は、困難な状況でも前向きに行動する傾向があります。
例えば、
・新しい仕事に積極的に挑戦する
・失敗を改善の材料として考える
・目標に向かって粘り強く努力する
・周囲へ相談しながら前進できる
といった特徴があります。
重要なのは、「失敗しない人」ではなく、「失敗しても立ち上がれる人」であることです。
自己効力感が高い人は、経験を学びに変えながら成長を続けていきます。

3-2 自己効力感が低い人が陥りやすい思考パターン

一方、自己効力感が低い人は、
「どうせ無理」
「失敗したら恥ずかしい」
「自分には向いていない」
という考え方に陥りやすくなります。
その結果、挑戦する機会を自ら減らし、成功体験も得られず、さらに自己効力感が下がるという悪循環が生まれます。
本人の能力不足ではなく、「成功体験が少ない」「周囲から認められる経験が少ない」といった環境要因も大きく影響しています。
だからこそ、企業や上司には、小さな成功体験を積み重ねられる機会を意図的につくることが求められます。

4.自己効力感を高める方法

4-1 個人ができる自己効力感の高め方

自己効力感は、生まれつき決まるものではなく、経験を通じて育てることができます。
効果的な方法として、
・小さな成功体験を積み重ねる
・成功した経験を振り返る
・他者の成功事例から学ぶ
・周囲から前向きなフィードバックを受ける
・失敗を「学び」と捉える
ことが挙げられます。
特に重要なのは、完璧を目指すことではなく、「昨日より少し成長した自分」に目を向けることです。
小さな成功の積み重ねが、やがて大きな自信につながります。

4-2 管理職・企業ができる支援とは

社員の自己効力感は、職場環境によっても大きく左右されます。
管理職には、
・挑戦の機会を与える
・努力のプロセスを認める
・適切なフィードバックを行う
・安心して失敗できる職場をつくる
ことが求められます。
また、1on1ミーティングやキャリア面談などを通じて、社員自身が成功体験や成長を振り返る機会を設けることも効果的です。
自己効力感は、一人で育むものではなく、組織との関わりの中で高まっていくものなのです。

5.自己効力感が組織の成長を加速させる

5-1 自律型人材を育てる組織づくり

企業が持続的に成長するためには、社員一人ひとりが主体的に考え、行動できる「自律型人材」の育成が欠かせません。
そのためには、自己効力感だけを高めようとするのではなく、その土台となる自己肯定感も育める組織づくりが重要です。
「できたこと」を認めるだけでなく、「あなた自身を大切な存在として認めている」というメッセージが伝わる職場では、社員は安心して挑戦できます。
その安心感が、自己効力感を育み、自律的な行動へとつながっていきます。

5-2 キャリア自律を促進する企業文化をつくる

キャリア自律は、社員個人の努力だけで実現するものではありません。
挑戦を歓迎し、失敗から学び、互いの成長を支え合う企業文化があってこそ、自律的な人材は育ちます。
自己肯定感という「心の土台」があるからこそ、「自分ならできる」という自己効力感が芽生えます。そして、その自己効力感が新たな挑戦を後押しし、経験を通じた学びを積み重ねることで、キャリア自律が実現されていくのです。
企業が人材育成を考える際には、スキルや知識だけではなく、社員一人ひとりの心理的な成長にも目を向けることが重要です。それが、個人の成長と組織の成長を両立させる第一歩となるでしょう。

Cheer Bridgeでは、社員一人ひとりの自律的な成長を支援し、その成長を組織の成長へとつなげる人材育成・組織開発を支援しています。 社員と組織がともに元気になる未来づくりに、これからも取り組んでまいります。

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